打保由佳

打保 由佳(うつぼ ゆか)

プロフィール

打保 由佳
  • 学位:社会福祉学士、国際関係学修士
  • 職名:准教授
  • 担当授業:「ソーシャルワークの理論と方法Ⅰ・Ⅱ」「ソーシャルワーク演習(専門)Ⅳ」「人間福祉特講Ⅳ」「人間福祉専門演習」
  • 職歴:障害者運動を展開する団体での専従介助者、障害者支援施設での生活支援員を経て現職。社会福祉士、介護福祉士
  • 特徴:日本の伝統文化と未来をつなぐ「“和”の未来」をデザインコンセプトとしている北陸新幹線の“かがやき”が好きなこと
  • 趣味:マンガを読むこと、ネットショッピング

1.研究テーマ「ライフヒストリー」「障害者差別と差別問題」

障害者運動団体に就職していた頃、障害を持った一人の女性から「打保さんは、私たちとは違う健常者なんだよね?」と言われたことがあります。私へのその問いかけは、現在の研究テーマと深く関わっています。私は、健常者であることを自覚してこれまで生きてきたのだろうか・・・そんなことを意識することも必要のないまま過ごしてきたのではないか・・・。そして、この問いかけには、障害を持った人びとが自分は障害者であることを周りの人たちから意識づけられ、障害者として生きていかざるを得ないのだ、というメッセージが含まれているように感じました。

また、私に「互いに障害者、健常者であることの違いを認め合い、協働することの大切さ、社会の中で共に生きることこそ自然なことで、違いがある人たちが共存するからおもしろいのである」と新たな視点も伝えてくれました。

私にとってのこの経験は、その後の障害者運動にかかわる人びとが綴る歴史としてのライフヒストリーを聞き取り、障害者と介助者を取り巻く社会の構造や運動の展開の背景にある差別問題について研究する出発点となっています。

2.授業で大事にしていること

現在の人間福祉学科は、福祉専門職を目指す人だけではなく、一般企業への就職や警察官、消防士、スポーツ選手を志す人などさまざまですが、社会福祉は、どのような進路であっても共通する基盤であるといえる重要な分野です。しかし、その一方で、私が授業で担当するソーシャルワーク理論は、福祉の専門的知識が強く求められる内容でもあるため、共通性を持って理解することが困難になることがあります。そこで、学生さんに、ソーシャルワークをできる限り身近で、面白いものであると感じてもらえるよう、ドラマを動画教材として使用したり、ソーシャルワーク実践現場で活躍している方をゲスト講師として招いたりするなど、支援の具体性を高めて、興味を持ってもらえるように心がけています。

3.学生からみた先生(2024年度生 三木一輝さん・麦谷太規さん)

硬式野球部で活躍する学生と打保准教授 硬式野球部で活躍する学生と一緒に

打保先生の授業は、ソーシャルワークの理論が中心で、野球をしてきた自分たちにとって分からない専門用語が多く、理解することが難しいときもあります。しかし、ある時の授業で、福祉分野と他分野との「多職種間連携」やさまざまな役割を担う専門職が協力する「チームアプローチ」について聞いたことで、野球での各々のポジションの選手が各自の役割の責任を果たし、チーム一丸となってプレーすることと似ていると感じました。野球がきっかけで、この学科に入学し、部活と学業を両立しながら、少しでも、福祉の学びを自分の学生生活や進路に生かすことができたらと思っています。

4.私の学生時代

田烏の棚田(福井県小浜市) 田烏の棚田(福井県小浜市)

高校の頃に、なんとなく福祉に興味を持ち、福祉系の大学への進学を決めました。大学で障害者福祉論を担当していた先生との出会いは、私の卒業後の進路を方向づけています。先生は、脳性麻痺で身体障害者手帳を持っており「君たちは、社会福祉士の国家資格というライセンスを取得するためにこの大学に来たと思います。私は、社会福祉士の資格はありませんが、障害者手帳というライセンスを持っています」と自己紹介されました。この「ライセンスである」という表現が、障害に対する自分の負のイメージをくつがえし、大変心に残りました。先生の紹介で介助のアルバイトをはじめ、介助者としての経験が今の私を支えています。また、アルバイトの他にも棚田を借りて酒米をつくるサークルを同級生と立ち上げ、田植えや稲刈りなど泥だらけの作業、棚田から観た景色は忘れられない思い出です。

5.学生に期待すること

学生生活を通して、他の学生さん、教職員、大学外での活動で出会う人の価値観や人生観にふれ、その関係性から人の持つ幅広さや多様さを見出し、また、自分らしさとなる独自性や固有性を大切にしてもらいたいと思います。